「テキストの多様性を捉える分類指標の策定」研究発表会「概要」
- プロジェクト名
- テキストの多様性を捉える分類指標の策定 (略称 : テキスト分類指標)
- リーダー名
- 柏野 和佳子 (国立国語研究所 言語資源研究系 准教授)
- 開催期日
- 平成24年6月25日 (月) 9:00~13:00
- 開催場所
- 公立はこだて未来大学 (〒041-8655 北海道函館市亀田中野町 116番地2)
発表概要
「眼球運動測定による文章推論の認知過程の探求」椿本弥生 (はこだて未来大学 特任講師)
人は,文章の推論をどのように行っているのか。質問紙や発話によってその認知過程の一端を垣間見ることはできるが,その一方で被験者による主観的報告はあてにならないという研究結果もある。本研究では,推敲中の被験者の眼球運動を測定することにより,推論のプロセスをより直接的に捉えることを目的としている。今回は,その試みに至るまでの予備的研究の報告および,今後の実験計画の議論を行った。
「テキスト分類指標アノテーション支援のための文章のランキング」飯田龍 (東京工業大学 助教)
BCCWJ にアノテーションされた難易,主観的・客観的,硬軟などのテキスト分類指標に関してテキスト集合をあらかじめランキングし,その結果を参照することでアノテーションのコスト削減やアノテーションの揺れの効率的な検出を目指す。本発表では Support Vector Regression を用いてランキングを行い,文章対でどの程度正しく順序が見積れたかについて各分類指標ごとに評価した結果について報告した。
「早稲田大学ライティング・プログラムの実践と成果」佐渡島 紗織 (早稲田大学 准教授)
早稲田大学で行われている,学術的文章作成授業の実践と成果を報告した。授業は,eラーニング,全学共通,初年次科目であり,4年半継続して行われてきた。履修者の文章作成力伸びの調査,非母語話者である履修者の文章作成力伸びの調査,履修者の属性 (文章作成を好き / 嫌いなど) と文章作成力の伸びの関係調査の結果も報告した。
「現代日本語書き言葉均衡コーパスに基づく obi2 / B9 スケールの再構築」佐藤 理史 (名古屋大学 教授)
現代日本語書き言葉均衡コーパスの出版サブコーパスおよび図書館サブコーパスの書籍データを利用して,難易度測定システム obi2 の B9 スケールの再構築を行っている。その現状について報告した。