「大規模方言データの多角的分析」研究発表会 概要

プロジェクト名
大規模方言データの多角的分析 (略称 : 大規模方言データ)
リーダー名
熊谷康雄 (国立国語研究所 時空間変異研究系 准教授)
開催期日
平成24年3月19日 (月) 14:45~15:45
開催場所
国立国語研究所 2階 多目的室

発表概要

『日本言語地図』データベースの環境を利用した回答語形の分布に関わる観察熊谷 康雄 (国立国語研究所 准教授)

構築中の『日本言語地図』データベース (発表時100項目) の環境を利用した観察事例を報告した。 (1) 併用回答の分布:併用は語の接触,変化と関わる。併用地点の分布とLAJ参考図近代道路網との重ね合わせを試行し,初期の観察で道路網の密なところに併用地点が多く分布する傾向が見えた。多数の項目の集計で,その傾向を探った。 (a) 項目別併用地点の地理的分布の例, (b) 55項目 (整備済で地点数が全調査地点数2400にほぼ同じ項目) の集計による各地点の併用項目の度数の地理的な分布などを示し,今後の分析の見通しを述べた。 (2) 凡例語形のモーラ数の分布 : LAJの凡例語形のモーラ数を数えるプログラムを作成し,項目毎に,各地点の回答語形のモーラ数を計算 (約70項目) し,第一段階として県別の語形のモーラ数の度数分布の形に地理的な分布パターンを示した。凡例語形という制約はあるが,地理的な分布が観察できること述べた。