「日本語学習者用基本動詞用法ハンドブックの作成」研究発表会 概要

プロジェクト名
日本語学習者用基本動詞用法ハンドブックの作成
リーダー名
Prashant PARDESHI (国立国語研究所 言語対照研究系 准教授)
開催期日
平成23年 3月24日 (木) 13:00~18:00
開催場所
関西学院大学 大阪梅田キャンパス K.G.ハブ スクエア大阪
(大阪市北区茶屋町19-19)

発表概要

13:00-13:10挨拶
Prashant PARDESHI (国立国語研究所)

13:10-14:40「ハンドブック執筆のためのコーパスシステムLWP+BCCWJの使用法」赤瀬川 史郎 (Lago言語研究所)

本発表では,基本動詞ハンドブック執筆用のコーパスブラウジングシステムであるNINJAL-LWPの特長と開発の流れ,機能について紹介し,あわせてデモンストレーションを行った。最後に来年度以降追加予定の機能を紹介した。

14:50-15:50「動詞の語形と意味の関連について」李 在鎬 (独立行政法人 国際交流基金)

コーパスを用いた言語研究の事例として,以下の二つの研究を紹介した。

  1. 動詞「流れる」の語形と語義の問題をめぐって
    ここでは,語義によって語形の分布が異なることを示し,定量的分析方法で語義のブランチ分けを決める方法 (クラスタ分析) を紹介した。
  2. 多義語の実験的分析について
    ここでは,多義語分析のモデルを紹介し,移動動詞「出る」の語義決定に関わる制約を明示化した。

15:50-16:20「今後の進め方について」Prashant PARDESHI (国立国語研究所)

16:30-18:00講演 「基本動詞の意味の捉え方と辞書記述のあり方」 田中 茂範 (慶應義塾大学)

本発表では基本動詞に注目し,基本語力の習得がむずかしい理由,基本語力獲得を支援するための前提となる基本動詞の意味の記述の仕方 (コア図式) について述べた。また,ウェブサイトにコア理論が実装された例としてココネ (cocone.jp) の紹介を行った。