「近代語コーパス設計のための文献言語研究」研究発表会 概要

プロジェクト名
近代語コーパス設計のための文献言語研究 (略称 : 近代語コーパス)
リーダー名
田中 牧郎 (国立国語研究所 言語資源研究系 准教授)
開催期日
平成23年2月27日 (日) 13:30~16:30
開催場所
国立国語研究所 2階 多目的室

発表概要

「電子化が望まれる近代語資料探索 ―日本語史を研究する大学院生の報告から―」岡島 昭浩 (大阪大学大学院 教授)

2010年度,大阪大学文学研究科の国語学専門分野で,近代語資料探索という演習を行った。文学作品以外,また,文学作品でも,文学史上有名な一部の作品以外で,言語史研究に有用な資料を探し,その有効利用を探るのが目的であった。電子化されたら有用であろうと思われるものを探り,さらにその有用性や,入力のコスト等も勘案することを求めたものであったが,その演習発表の中から,本プロジェクトに生かせそうなものを,いくつか報告した。

「コーパス設計のための明治前期文献の分類」田中 牧郎 (国立国語研究所 准教授)

近代語コーパスが対象とする文献の候補リストをもとに,明治前期 (明治初年~明治15年頃) の書籍,雑誌,新聞について,ジャンルや言語上の特徴などのいくつかの観点から分類した。その分類結果をもとに,コーパス化のための文献選定のあり方を考察した。コーパス化する文献は,時代,媒体,ジャンルの枠組で分類したリストをもとに行うべきこと,時代や媒体に応じて選定基準は変えていくのが現実的であることなどを論じた。