フレーム意味論プロジェクト研究発表会
- プロジェクト名・リーダー名
- 対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授) - 班名・リーダー名
- 文法研究班 「動詞の意味構造」
松本 曜 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授) - 開催期日
- 2020年11月15日 (日) 14:00~17:15
- 開催場所
- Web開催 (Zoom を使用,事前登録制)
- 事前登録
- 登録は締め切りました。お申し込みありがとうございました。
いただいた個人情報は,個人情報保護ポリシーに則り厳正に扱い,受付事務および催し物のご案内以外には使用いたしません。 - 定員
- なし
プログラム
「フレームに基づく類義語・多義語の分析」
籾山 洋介 (南山大学)
- 14:00~15:10
「フレームに基づく類義語・多義語の分析I」 - 15:10~15:20
休憩 - 15:20~16:20
「フレームに基づく類義語・多義語の分析II」 - 16:20~16:30
休憩 - 16:30~17:15
質疑応答
概要
語 (等の言語表現) の百科事典的意味の中に「フレーム」を位置付けたうえで,フレームに基づく意味記述の妥当性の一端を示すことを狙いとする。特に,現代日本語の類義語および多義語の分析においてフレームに基づく記述の有効性を示す。取り上げるのは,以下の3つのケースである。
- 同一の,あるいは同様の指示対象を有する「類義語」の意味の違いを,異なるフレームに基づくという観点から,記述・説明する。取り上げる類義語は,「空き地/さら地」「通行人/歩行者」「自筆/直筆」等である。
- 「多義語」の複数の意味を,フレームを構成する異なる要素の焦点化という観点から記述・説明する。取り上げる多義語は,「きく」 (動詞) 「かたい」である。
- 「多義語」の複数の意味を,各意味が異なるフレームに基づくという観点から,記述・説明する。取り上げる多義語は,「黙る」である。
- 主な参考文献
- 陳 奕廷,松本 曜 (2018) 『日本語語彙的複合動詞の意味と体系』,ひつじ書房
- 松本 曜 (2010) 「多義性とカテゴリー構造」,澤田 治美 (編) 『ひつじ意味論講座 第1巻 語・文と文法カテゴリーの意味』,pp.23-43,ひつじ書房
- 籾山 洋介 (2014) 『日本語研究のための認知言語学』研究社
- 籾山 洋介 (2016) 「形容詞『かたい』の意味 ―メトニミーとフレームの観点から―」『言語文化論集』37-2,pp. 73-87,名古屋大学大学院国際言語文化研究科
- 籾山 洋介 (2019) 「多義語分析の課題と方法」,プラシャント・パルデシ,籾山 洋介,砂川 有里子,今井 新悟,今村 泰也 (編) 『多義動詞分析の新展開と日本語教育への応用』,pp.32-50,開拓社