第五回 「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」オンライン研究発表会 (2020年6月29日)

プロジェクト名・リーダー名
対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授)
班名・リーダー名
音声研究班 「語のプロソディーと文のプロソディー」
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授)
開催期日
2020年6月29日 (月) 14:00~15:00
開催場所
Web会議 (Zoom を使用)
参加費
無料
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プログラム

「南琉球語宮古多良間方言の複合名詞アクセントの記述 : ピッチパタンの決定には何が関与するか」 ケナン・セリック (国立国語研究所),青井 隼人 (東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 / 国立国語研究所)

本発表では,南琉球宮古語多良間仲筋方言 (以下,多良間方言) の複合語アクセントを取り上げ,この方言について想定されている「複合アクセント法則」を再検討する。先行研究では,多良間方言について,いわゆる「複合アクセント法則」が成立するとされてきた。すなわち2つの語根から構成される複合語においては,前部要素のアクセントのみが実現し,後部要素のアクセントは削除される。しかし,新しい調査の結果,この法則に従わない複合語が観察されることが明らかになった。これらの複合語には,前部要素と後部要素のそれぞれのアクセントが実現する複合語や,前部要素のアクセントだけでは表層のピッチパターンを説明できない複合語が含まれる。本発表では,これらの複合語を詳細に分析した結果を提示し,多良間方言の複合語アクセントを正しく予測するための3つの変数ーー (1) 構成要素の品詞,(2) 構成要素のアクセント型の組み合わせ,(3) 構成要素間の意味関係ーーを提案する。

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