第三回 「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」オンライン研究発表会 (2020年6月5日)
- プロジェクト名・リーダー名
- 対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授) - 班名・リーダー名
- 音声研究班 「語のプロソディーと文のプロソディー」
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授) - 開催期日
- 2020年6月5日 (金) 15:00~16:00
- 開催場所
- Web会議 (Zoom を使用)
- 参加費
- 無料
- 事前登録
- こちらをご確認ください。
プログラム
「鹿児島方言のモーラ性について」 窪薗 晴夫 (国立国語研究所)
鹿児島方言が音節 (シラブル) を基調とすることはよく知られていが,この方言のモーラ性については論じられることはほとんどなかった。長崎方言や甑島方言など周辺の姉妹方言がモーラを基調とする方言であることを考えると,鹿児島方言のモーラ性を問うことは言語地理学や言語類型論の観点からも,日本語の歴史において音節とモーラが発達してきた過程を考える上でも,さらには一般言語学における音節とモーラの関係を論じる上でも重要なテーマと言える。この発表では鹿児島方言の外来語アクセント,「の」の縮約,呼びかけイントネーションなどの共時的現象の分析にモーラが不可欠であることを論じる。一見すると無関係に思える複数の現象が,音節量という概念によって一般化できることから,この方言の音韻体系が音節に大きく依存しながらも,他方ではモーラという音韻単位にも少なからず依存していることを指摘する。
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