「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」研究発表会 (平成31年3月10日)

「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」研究発表会
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プロジェクト名・リーダー名
日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成
木部 暢子 (国立国語研究所 言語変異研究領域 教授)
開催期日
平成31年3月10日 (日) 10:00~16:00
開催場所
国立国語研究所 2F 講堂 (東京都立川市緑町10-2)
交通案内

事前申込み不要,どなたでも参加可能です。

手話通訳がはいります。

平成30年度 第2回研究発表会 「動詞・形容詞 (本土諸方言) 」

趣旨

本プロジェクトでは,日本の消滅危機言語・方言の文法記述のために毎年テーマを設けて研究発表会を開催している。今年度のテーマは「動詞・形容詞」である。今年度第2回研究発表会では,本土諸方言における動詞・形容詞の各発表者による記述調査研究を議論するとともに,日本手話の動詞・形容詞についても議論することで,従来の動詞・形容詞研究を超えた研究成果を獲得する。

プログラム

10:00~10:10 開会の挨拶

[発表の様子 (大槻) ]

10:10~10:50 研究発表「津軽方言の動詞・形容詞」 大槻 知世 (国立国語研究所)

本発表では,津軽方言の動詞・形容詞の基本構造とパラダイムを提示した。特に動詞について,談話資料を活用し,統語的分布を考慮して屈折と派生の記述を行った。

10:50~11:00 休憩

[発表の様子 (中澤) ]

11:00~11:40 研究発表「淡路方言の活用とアクセント単位」 中澤 光平 (国立国語研究所)

本発表では淡路方言の動詞の活用の整理を通じて次の点について論じた。
1. 派生接辞と屈折接辞の分類基準
2. 接辞同士の共起関係
3. アクセント単位を形成する接辞と語の単位の認定

11:40~12:20 研究発表「鹿児島県肝付町内之浦方言の動詞について」 髙城 隆一 (東京大学大学院 修士課程)

本発表では,鹿児島県の大隅半島東部に位置する肝付町内之浦 (旧内之浦町) における,動詞についての調査結果を報告した。今年度の臨地調査で得た,70代の生え抜き話者のデータに基づいて,内之浦方言の動詞のパラダイムを初めて示した。

12:20~13:10 昼休み

13:10~13:50 研究発表「甑島里方言のニ格形容詞」 久保薗 愛 (愛知県立大学)

本発表では,鹿児島県甑島里方言を対象に,形容詞の格について取り上げた。特に,ニ格をとりうる形容詞について,本方言においてこの構文が許容される条件 (名詞句タイプ・形容詞タイプ) について報告した。

13:50~14:30 研究発表「日本手話の動詞・形容詞 ―何をどう記述するか―」 高嶋 由布子 (日本学術振興会 特別研究員 / 東京学芸大学)

本発表では,日本手話 (関東方言) の記述の作成について動詞・形容詞を中心に報告した。日本手話は都市型手話に分類され,動詞はこれまでの手話言語研究と同様,空間動詞,一致動詞,非一致動詞に分類できるが,一部不規則変化もあることを報告した。形容詞については,どのような構文で表れるものを形容詞と扱えるかを議論した。

14:30~14:40 休憩

14:40~15:20 「総括にかえて」 平子 達也 (駒沢大学)

15:20~15:50 ディスカッション

15:50~16:00 事務連絡