創立70周年記念 シンポジウム 「経年調査の新たな挑戦 ―日本語の将来を占うために」

開催期日
平成30年12月22日 (土) 15:00~18:00 (「国立国語研究所オープンハウス2018」と同時開催)
開催場所
国立国語研究所 多目的室 (東京都立川市緑町10-2)
交通案内

要旨

国立国語研究所では1948年の創立から70年の間,全国各地で言語生活調査を実施してきました。その中でも,同一内容の調査を一定年数の間隔をおいて実施した言語生活調査 (鶴岡調査,北海道調査,岡崎調査) では,全国共通語化,移住者の方言接触による変化,敬語と敬語意識を扱いました。とりわけ鶴岡調査は,第1回調査 (1951年) から第4回調査 (2011年) まで60年もの年月をかけ,戦後の日本語社会で実際に発生した言語変化を把握するための調査として,世界的に見ても稀なものです。

その一方,現在の日本語社会をめぐる問題を考える上で必要とされる研究テーマは実に様々です。同時に,これらのテーマを経年調査として実施する可能性があるかどうか,検討する必要があります。そこで,本シンポジウムは,日本語の将来を予想し,その姿をより動的に捉えるための調査を実施するのにふさわしい研究テーマ,研究法について話題提供者から発題してもらった上で,参加者とともに今後実施すべき研究テーマ,研究法を一緒に探ります。

プログラム

15:00~15:15 「経年調査のこれまでとこれから」 朝日 祥之 (国立国語研究所)

15:15~15:30 「岡崎敬語調査データベースの派生的活用 ―「足りない~足らない」の変異を探る」 松田 謙次郎 (神戸松蔭女子学院大学)

15:30~15:45 「個人の中で発音は変化するか? ―札幌市での経年調査をもとにしたコーホート分析から推測する」 尾崎 喜光 (ノートルダム清心女子大学)

15:45~16:00 「公開された鶴岡調査データの分析」 前川 喜久雄 (国立国語研究所)

16:00~16:15 休憩 (15分間)

16:15~16:30 「日本語語彙のカタカナ語化に関する実時間研究」 久屋 愛実 (松山大学)

16:30~16:45 「「病院の言葉」経年研究に向けた予備調査」 横山 詔一 (国立国語研究所)

16:45~17:00 「「略字・俗字」の使用意識を探る」 高田 智和 (国立国語研究所)

17:00~17:15 休憩 (15分間)

17:15~18:00全体討論