「議会会議録を活用した日本語のスタイル変異研究」研究発表会

プロジェクト名・リーダー名
議会会議録を活用した日本語のスタイル変異研究 (略称 議会会議録研究)
二階堂 整 (福岡女学院大学 教授)
開催期日
平成29年2月17日 (金) 15:30~18:00
開催場所
国立国語研究所 3F セミナー室 (東京都立川市緑町10-2)

第1回研究発表会

  • 「議会会議録におけるスタイル」
    二階堂 整 (福岡女学院大学 教授)

    議会会議録の発言は話し言葉である。ただし,くだけた場面の話し言葉とは異なる。しかし,それだからこそ,様々な状況でのスピーチスタイルが見られる。発表では,福岡県議会を資料として,いくつかの例 (女性議員の傾向・立場の変化による方言使用の減少など) を示し,研究の可能性を示した。

  • 「地方議会会議録コーパスの概要について」
    高丸 圭一 (宇都宮共和大学 准教授),木村 泰知 (小樽商科大学 准教授)

    自治体によって個別にウェブ公開された地方議会会議録を横断的に研究することを目指して「地方議会会議録コーパス」を構築した。また,現在「パネルデータ」の構築を進めている。発表では,会議録収集・構築の概要,および,含まれるデータの基本統計量について述べた。また,地方議会会議録を利活用した研究事例の紹介を行った。

  • 「地方議会会議録検索システムについて」
    乙武 北斗 (福岡大学 助教)

    地方議会会議録コーパスの全文検索,および,出現頻度の地図化,および,クロス集計を自動的に行う機能を有する地方議会会議録検索システムを構築した。発表では,デモを行いながら,本システムを利用した効率的な言語研究の可能性について述べた。

  • 「国会会議録における旧字体の消滅過程―「國」の場合」
    松田 謙次郎 (神戸松蔭女子学院大学 教授)

    国会会議録における漢字表記は,当用漢字の内閣告示を受けて,1949年の第6回国会開催分の会議録から新字体へと切り替えがなされている。短期間における大規模な字体の切り替えとなったこの変化について,「國」に焦点を当ててその過程の詳細を明らかにした。

共同研究者の参加者名

(所内) 朝日 祥之
(所外) 二階堂 整,岩城 裕之,高丸 圭一,乙武 北斗,川瀬 卓,太田 一郎,松田 謙次郎,田附 敏尚,木村 泰知,山際 彰,佐藤 亜実