「日本語文法の歴史的研究」研究発表会

プロジェクト名
日本語文法の歴史的研究 (略称 : 文法史)
リーダー名
青木 博史 (国立国語研究所 客員准教授)
開催期日
平成23年8月30日 (火) 13:30~17:00
開催場所
九州大学 博多駅オフィス 小会議室

発表概要

「る・らる」による可能表現吉田 永弘 (國學院大學)

可能の「る・らる」は中古では肯定文で用いられることはなく,中世になって用いられるようになるというのが通説である。本発表ではこの点を検証しつつ,肯定文で用いられた可能の「る・らる」の展開を追う。また,肯定文での可能用法が出現する要因について考察する。

日本語のアスペクト形式の主観性と主観化竹内 史郎 (成城大学)

野村剛史氏が述べるように,モダリティやテンスの範疇のみならず,アスペクトにも主観性が認められる。本発表では,この点を確認した上で,日本語のアスペクト形式の歴史において主観化が看取できることを示す。助動詞的要素の歴史として「つつある」「つ/ぬ」「た (り) 」などを,副詞的要素の歴史として「ちょっと」「少し」「ずいぶん」「多少」などを取り上げる。