「近現代日本語における新語・新用法の研究」研究発表会
- プロジェクト名
- 近現代日本語における新語・新用法の研究 (略称 : 新語・新用法研究)
- リーダー名
- 新野 直哉 (国立国語研究所 時空間変異研究系 准教授)
- 開催期日
- 平成23年6月18日 (土) 14:00~17:20
- 開催場所
- 国立国語研究所 3階 セミナー室
発表概要
「戦前戦中の「全然+肯定」の一側面 ―『古川ロッパ昭和日記 (戦前篇・戦中篇) 』を資料として―」梅林 博人 (相模女子大学 教授)
戦前の「全然+肯定」と戦後のそれとの異同を論ずるに際しては実例の検討が極めて重要である。が,従来この点については反省せざるを得ない一面がある。そこで,本発表では,『古川ロッパ昭和日記』に載る「全然+肯定」の実態を報告し,同資料の同表現に見られる特徴について言及をする。
「近世中国語「全然」の日本語への受容について」橋本 行洋 (花園大学 教授)
「全然」は,近世後期に中国の白話小説から受容され,明治期に至って字音語として使用されるようになったものとされる。しかし,白話小説に見られる「全然」のほとんどが否定表現に用いられているのに対し,明治~大正期の日本文献における「全然」は必ずしも否定を伴っていない。本発表ではこの点に注目し,中国語「全然」の日本語への受容について再検討を行う。