「近代語コーパス設計のための文献言語研究」研究発表会

プロジェクト名
近代語コーパス設計のための文献言語研究 (略称 : 近代語コーパス)
リーダー名
田中 牧郎 (国立国語研究所 言語資源研究系 准教授)
開催期日
平成22年12月27日 (月) 13:30~16:30
開催場所
国立国語研究所 3階 セミナー室

発表概要

「現行辞書による近代語語史の構築の危うさ ―コーパス利用の可能性を兼ねて」陳 力衛 (成城大学 教授)

最近中国で出版された『近現代辞源』 (黄河清編,上海辞書出版社) を材料に,いわゆる日中言語交渉を視点として,現行辞書 (『日本国語大辞典』,『漢和大辞典』,『漢語大詞典』) で跡付けようとしたとき,さまざまな問題に出くわした。そのいくつかを取り上げ,近代的意味の不確定さと初出例の文芸中心主義の選出を指摘し,近代語のコーパス利用によって修正できる範囲と可能性について考えたい。

「近代語コーパスの資料選定と性格づけ」小野 正弘 (明治大学 教授)

近代語コーパスの資料を選ぶ際には,それがどのような性格を持つのか (持たせるのか) ということを多角的に十分に考えておく必要がある。どのような資料を選定すると,どのような性格を持つことになるのか,逆に,ある性格を持たせたい場合には,どのような資料選定が望ましいのか,について考察する。