「コーパス日本語学の創成」研究発表会

プロジェクト名
コーパス日本語学の創成 (音声・対話グループ)
リーダー名
前川 喜久雄 (国立国語研究所 言語資源研究系 教授)
開催期日
平成22年12月17日 (金) 17:00~19:00 (非公開)
開催場所
国立国語研究所 4階 405号室

発表概要

「統語論と韻律との写像関係の方言差」五十嵐 陽介 (広島大学 准教授)

日本語において,統語論における枝分かれ構造の違いが,韻律にかなり一貫した形で反映されることが知られている。この統語構造と韻律構造との写像関係は,「右枝分かれ構造が埋め込まれた統語境界において,ピッチの立ち上げが起こる」という形で定式化されている。この枝分かれ構造と韻律との写像関係は東京方言だけでなく,いくつかの方言にも観察されることが報告されているが,大阪方言を中心とした近畿方言に関しては意見が分かれている。そこで本研究は,統語論における枝分かれ構造が,近畿方言において韻律に反映されるかどうか,反映されるとしたらどのように反映されるかを,東京方言との対照を通じて明らかにすることを目的とした産出実験を行った。実験結果は,1) 両方言において,右枝分かれ構造が埋め込まれた境界で F0 が高くなるという形で,枝分かれ構造の違いが F0 曲線に反映されること,2) 近畿方言における左右枝分かれ構造の違いに起因する F0 曲線上の差異は,東京方言と比較して小さいことを示した。