「コーパス日本語学の創成」研究発表会

プロジェクト名
コーパス日本語学の創成 (略称 : コーパス日本語学)
リーダー名
前川 喜久雄 (国立国語研究所 言語資源研究系 系長,教授)
開催期日
平成22年8月29日 (日) 14:00~17:00
開催場所
国立国語研究所 2階 多目的室

発表概要

「国会会議録を用いた言語変化の研究 ―諸属性の参照―」服部 匡 (同志社女子大学 教授)

国会会議録に記録されている発話の諸属性(発話者の生年,資格(議長等/それ以外),発話年,会議種別(本会議/それ以外))を利用して言語変化の分析を行う方法を試行した。「いる/おる」の使用,「全然」のかかる述語(否定辞を含むかどうか,その他),「まする」の残存,その他の問題に分析を適用した結果,同一出生年代の話者群でも発話年代が進行するにつれて使用傾向の明確な変化が観察される事例などが知られた。

「コーパスとしての WWW と研究方法の変化と教育的効果」荻野 綱男 (日本大学 教授)

コーパスとしての WWW の利用方法が広がっている。特に注目に値するのはブログである。WWW の特質として,大量性,無料,多様性などがある。ブログを活用すると,男女差,年齢差,新語の普及などが簡単にわかる。WWW のこのような性質は,学生の教育用にも大きな効果がある。当日は,WWW (ブログ) 活用の具体例をあげて解説したい。