「テキストにおける語彙の分布と文章構造」研究発表会
- プロジェクト名
- テキストにおける語彙の分布と文章構造 (略称 : 語彙と文章構造)
- リーダー名
- 山崎 誠 (国立国語研究所 言語資源研究系 准教授)
- 開催期日
- 平成22年8月23日 (月) 15:00~18:00
- 開催場所
- 同志社大学 文化情報学部 (京田辺キャンパス 夢告館 1階 102教室)
発表概要
「出現間隔と意味的距離から見た多義語の意味分布」山崎 誠 (国立国語研究所 言語資源研究系 准教授)
多義語が同一のテキスト内で複数回使用される場合,語彙的結束性により,選択された特定の一つの意味が繰り返し使われる可能性が高い事例が観察されている。しかし,一方では同一テキスト内でも異なる意味で使用される場合もあることが分かっている。本発表では多義語の出現間隔及び多義語の持つ意味の違い方 (意味的距離) の調査をもとにどのような場合に異なる意味として実現するのか,その条件を探るものである。
「社会科学系論文の本論における構成要素間の結びつき」清水 まさ子 (日本大学 非常勤講師)
日本において社会科学系専攻の留学生は多いにも関わらず,今までその分野の論文の展開についてあまり調査されてこなかった。先行研究では,論文の構成要素の割合や表現の仕方については確認されているが,それらがどのように組み合わされているのかについては十分に考察されていない。本研究では,社会科学系論文でも史料や事例をもとに論じる論文の,本論部分の一節を対象に構成要素の割合を調べ,さらにそれらがどのように組み合わされているのか調査することにより,この分野の論文を書く日本語学習者にどのような能力が必要なのか考察する。