国立国語研究所

国立国語研究所オープンハウス2021

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発表

研究情報発信センターの紹介

「研究情報発信センター研究資料室─資料室の概要と収蔵資料紹介─」
タイトル「研究情報発信センター研究資料室─資料室の概要と収蔵資料紹介─」
研究者研究情報発信センター(中島彩花,寺島宏貴)
概要国立国語研究所研究情報発信センター研究資料室では,国立国語研究所がこれまでに実施した調査研究において収集・作成した資料(調査カードや収録音源など)を保存しています。調査・研究・教育を目的とする場合,申請により収蔵資料を閲覧することができます。また,収蔵資料の資料群概要や目録類(保存箱や音声・映像ファイル)をWeb公開しています。
「「日本語研究・日本語教育文献データベース」の使い方」
タイトル「「日本語研究・日本語教育文献データベース」の使い方」
研究者研究情報発信センター(八木下孝雄,今村志紀,杉本裕子)
概要「日本語研究・日本語教育文献データベース」は日本語学,日本語教育に関する研究文献のデータベースです。1950年から現在まで,約27万件の論文・図書の書誌情報を収録しています。論文名や書名,著者名などについて,簡易検索と詳細検索を提供しています。

研究の紹介

「バントゥ諸語(アフリカ)から日本の言語・方言のアクセントを捉え直す」
タイトル「バントゥ諸語(アフリカ)から日本の言語・方言のアクセントを捉え直す」
研究者青井隼人
概要日本語は,方言も含めて,「ピッチ・アクセント言語」と分類される。「ピッチ・アクセント言語」とは,「どこ」を高く(ないしは低く)発音するかが語ごとにあらかじめ決められているような言語を指す。ところが,声調とストレスに対立する第3の語プロソディの類型として,「ピッチ・アクセント」を確立できるかどうかには疑問も呈されている。このポスターでは,日本の言語・方言の語プロソディに酷似する体系をもつバントゥ諸語の分析を参考に,南琉球宮古語多良間方言の語プロソディ体系を捉え直した事例を紹介する。
「係り受けの数理」
タイトル「係り受けの数理」
研究者浅原正幸
概要文節係り受け構造の同定は,文節を頂点とした有向グラフに対する,係り受け関係を辺とした全域木の同定問題に帰着することができる。また,日本語の文節係り受けには,常に左から右に係る(strictly head-final),平面グラフ上非交差(projective) という良い性質があり,文節の数Nに対して高々2Nの係り受け関係推定により文全体の係り受け関係を同定することができる。本発表では,その係り受け関係の同定手法について紹介する。
「「会話と手紙」に見るハワイ日本語の多様性:「上品な日本語」が表すもの」
タイトル「「会話と手紙」に見るハワイ日本語の多様性:「上品な日本語」が表すもの」
研究者朝日祥之
概要本発表では,日本からハワイへの移住が本格化することで現地で開設された日本語学校で使用された日本語教材のうち,ヱワ日本語学校刊行の「会話と手紙」を取り上げる。この教材は会話,手紙作成時の手引きである。そこには,会話をする,手紙を作成する際の心得と「上品な言葉遣い」が示される。本発表では,当時のハワイの日本語をめぐる先行研究を踏まえ,本教材で取り上げた具体例の評価を行う。
「語を超えた領域で実現される語アクセント:南琉球宮古語池間方言の事例」
タイトル「語を超えた領域で実現される語アクセント:南琉球宮古語池間方言の事例」
研究者五十嵐陽介
概要沖縄県宮古諸島で用いられている言語変種のひとつ南琉球宮古語池間方言では,3種類のアクセント型が区別されるが,語を単独で発話した場合は2種類の型しか観察できない。この方言は,当該の語に一定の長さを持った語あるいは形態素を2つ以上後続させて初めてすべての型が観察可能となるという珍しい特徴を持つ。本発表では池間方言のようなアクセント体系を妥当に記述するためには,様々な文脈で発話された語を分析する必要があることと,その際に音響音声学的手法に基づいた定量分析が重要な役割を演じることを示す。
「発話の終わりを伝える自発音声の韻律的特徴」
タイトル「発話の終わりを伝える自発音声の韻律的特徴」
研究者石本祐一
概要日常会話においては話者移行間隔が非常に短い話者交替が頻繁に生じているが,その実現には前話者の発話の終わりを予測した上で次話者が話し始めなければならない。すなわち,前話者の発話音声にはその発話末を事前に知らせる何らかの特徴があるはずである。ここでは自発発話音声の韻律に着目し,発話末の到来を伝えると考えられる韻律的特徴について紹介する。
「はがきを買うときの言語行動―頼む・礼を言う―」
タイトル「はがきを買うときの言語行動―頼む・礼を言う―」
研究者井上文子
概要2015年に東北大学方言研究センターが通信調査法により実施した「話し方の全国調査」の結果データを使って,言語行動の全国的な地域差について分析を試みた。対象としたのは,家の近所の郵便局ではがきを買う場面である。「はがきを買う(頼む)」場面での言語行動の有無と,発話する場合の依頼表現の形式,それに付随する表現について,出現の傾向を考察した。また,「はがきを買う(礼を言う)」場面での言語行動の有無と,発話する場合の表現についても観察した。
「ビジネス文書における「カッコ」の使われ方」
タイトル「ビジネス文書における「カッコ」の使われ方」
研究者岩崎拓也
概要カッコには,「」()【】などのさまざまな種類があります。しかし,これらのカッコの使い方を習った人は少なく,習っていたとしてもなんとなく使っている人も多いと思います。カッコはコメントや注釈,引用,作品名などを示すために使用されますが,どのような場合にどのカッコを使用するのかは明らかになっていません。そこで,今回は,インターネット上でやりとりされるクラウドソーシングの発注文書を対象として,発注文書の件名で使用されるカッコの種類とその使われ方について,その特徴をまとめました。
「ディスコース・ポライトネス理論―新しいポライトネスの捉え方―」
タイトル「ディスコース・ポライトネス理論―新しいポライトネスの捉え方―」
研究者宇佐美まゆみ
概要ポライトネスとは,日本語の「敬語」や,「丁寧な言葉遣い」という概念とは異なり,お互いが心地よければ,くだけた表現やいわゆる「ため口」というようなものも,ポジティブ・ポライトネスと捉えます。このポライトネスを,「呼びかけ⇒時間の有無の確認⇒前置き⇒本題」というように一連の流れがあるかどうかという観点からも捉えるのが「ディスコース・ポライトネス理論」です。ここでは,さらに,「時間経過」の概念を加えて,「先日は,どうもありがとうございました」というような発話のポライトネスの位置づけを,「新ディスコース・ポライトネス理論」で考えます。
「自然会話リソースバンク(NCRB:Natural Conversation Resource Bank)―「教材作成支援機能」を利用した教材作成の方針と注意点―」
タイトル「自然会話リソースバンク(NCRB:Natural Conversation Resource Bank)―「教材作成支援機能」を利用した教材作成の方針と注意点―」
研究者宇佐美まゆみ,小川都
概要このポスターは,日本語教育研究領域で開発した「共同構築型多機能データベースNCRB(Natural Conversation Resource Bank)(以下NCRBと略記)」について,その概要を紹介します。その上で,「教材作成・利用」の部分に搭載されている「教材作成支援機能」を利用した「教材作成」の方針と注意点について解説します。
「取立否定型動詞否定辞の変化と分布」
タイトル「取立否定型動詞否定辞の変化と分布」
研究者大西拓一郎
概要動詞否定辞の方言分布は東日本ナイ/西日本ンの東西対立を示すが,ンの分布域である近畿地方ではンを含む取立否定(~はせん)をもとに否定辞に文法化したヘン類が分布する。約30年を隔てたヘン類の分布を較べるとヒンの分布が拡大しており,発生地と拡大領域は都市性との関係が確認される。ヘン類は近畿方言の特色と考えられてきたが,ヘンは現在,東海地方に拡大しており,近畿地方より遅れつつ文法化が東海地方でも進行したことを示す。また,1980年代の東海地方にもヒンはあったが,近畿地方とは形成過程が異なると考えられる。
「パラ言語情報を伝える音響的特徴の解明と聴覚補助器評価尺度への応用」
タイトル「パラ言語情報を伝える音響的特徴の解明と聴覚補助器評価尺度への応用」
研究者籠宮隆之
概要補聴器や人工内耳などの聴覚補助器はどうしても音声を完全に伝えることは難しいため,音声の一部の情報が失われてしまいます。特に話者の感情や話者の性別などの「パラ言語情報」と呼ばれる情報を伝えるのが困難です。そこで,聴覚補助器がどの程度パラ言語情報を伝達できるかを評価するためのテストを作成しています。本発表では,その取り組みの概要を説明します。
「用例分析に基づく国語辞典情報の見直し(その3)」
タイトル「用例分析に基づく国語辞典情報の見直し(その3)」
研究者柏野和佳子
概要国語辞典情報の見直しのため,日々の用例収集,分析は欠かせない。最近気になっているものに形容詞の意味変化がある。一部で,安定,無難,という意味で「丸い」が使われている。周囲の大学生に聞いてみると,たとえば,「その選択は堅い。」ではなく,「その選択は丸い。」と使うらしい。その反対は「渋い」だと言う。「その選択は渋い。」ときけば,派手でないけれど良い,という意味かと思いきや,「まずい」「良くない」と否定的な意味だと言う。アンケート調査結果などをまじえ,日々行っている言葉の用例分析について報告する。
「方言コーパスを使ってみよう」
タイトル「方言コーパスを使ってみよう」
研究者木部暢子
概要国立国語研究所では,2019年に「日本語諸方言コーパス」モニター版を公開しました。これを使えば,各地の方言を調べることができます。例えば,方言コーパスで「私」を検索すると,アタシ,アタリ,アッシ,ウチ,ウチラ,ウラ,オレ,オレラ,オラ,オラホ,オイ,オイドン,バー,ボク,ワタシ,ワシ,ワテ,ワッター,ワンなど豊富な語形が出てきます。次に「あなた」を検索してみると,アナタ,オマエ,オタク,ワレ,アゾラなどが出てきます。方言コーパスを使って,いろいろな方言を調べてみましょう。
「コミュニケーションから見た言語の二面性」
タイトル「コミュニケーションから見た言語の二面性」
研究者窪薗晴夫
概要本発表ではプロソディー(アクセント,イントネーション)を例に,言語とコミュニケーションの関係を考察し,言語が持つ二面性を指摘する。東京方言をはじめとする日本語の諸方言ではアクセントが語の弁別に役立ち,またイントネーションが文のタイプや文脈,モダリティを表す。その一方で,プロソディーには地域差や世代差が見いだされ,日本語の中で多様な特徴や変異が存在する。その多様性こそが言語としての日本語が持つ強みであるが,皮肉なことに,その多様性ゆえにコミュニケーションが困難になるという事態も生じている。
「ABCツリーバンク:学際的な言語研究のための基盤資源」
タイトル「ABCツリーバンク:学際的な言語研究のための基盤資源」
研究者窪田悠介
概要理論言語学と自然言語処理の両分野での研究資源として活用できる汎用的な範疇文法のツリーバンクであるABCツリーバンクを構築し,オープン・アクセスで公開した。ABCツリーバンクは,日本語の範疇文法ツリーバンクで公開されているものとして現在唯一のものであり,理論言語学,自然言語処理両分野を取り結ぶ学際的な研究領域の活性化に寄与することが期待される。本発表では,このツリーバンクの概要と応用の可能性について説明する。
「近代書き言葉の文体と一人称代名詞の通時的変化」
タイトル「近代書き言葉の文体と一人称代名詞の通時的変化」
研究者近藤明日子
概要近代の書き言葉は言文一致運動により文語体から口語体へと大きく転換し,それに伴い使用される語彙も大きな変容をとげた。ここでは特に一人称代名詞をとりあげ,その通時的変化を文体の転換とともに分析・考察する。分析にあたっては,膨大な量が出版され流通した当時の書き言葉の資料群をバランスよく俯瞰するため,近代書き言葉の縮図となるよう設計された『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅰ雑誌』を使用する。
「南琉球における言語変化とその可視化」
タイトル「南琉球における言語変化とその可視化」
研究者セリック・ケナン
概要沖縄県宮古諸島と八重山諸島で話される南琉球諸語は同じ南琉球祖語に遡ると考えられています。しかし,祖語から分岐した諸言語はお互いに通じなくなるぐらい多くの言語変化を遂げてきました。これらの言語変化にはどのようなものがあるのか,またどのようにしてそれらの変化を理解しやすい形で可視化できるのかについてご紹介いたします。
「板碑の文字」
タイトル「板碑の文字」
研究者高田智和
概要板碑は13世紀から16世紀にかけて造立された石製の供養塔である。多摩地方においても多くの板碑が作られ,現存するものも多い。梵字種字(如来や菩薩を表す梵字)と紀念銘(造立の日付)を記すのが基本のスタイルで,図像や造立の趣旨,真言(マントラ)を記すものもある。「身近な文化財」とも言われる板碑には,中世日本で彫られた文字が残存していて,文字・表記資料として利用することができる。
「方言パズルで遊ぼう!─方言調査の体験─」
タイトル「方言パズルで遊ぼう!─方言調査の体験─」
研究者中川奈津子
概要この発表では,方言のパズルを通して方言調査のフィールドワークによる研究とはどのようなものなのかを一緒に体験していただきます。方言調査では,話者さんに共通語文を方言文に翻訳してもらい,その方言文の単語がどこで切れるのか,単語の意味は何かを推測します。この過程をパズルにしたので,自分で解いてみるも良し,解説を聞くだけでも良いと思います。ポスターを印刷したり,タブレットに取り込んだりして書き込むともっと楽しいかもしれません。
「100年前の言語関係新聞記事から―「キラキラネーム」「女学生語」「間違い言葉」―」
タイトル「100年前の言語関係新聞記事から―「キラキラネーム」「女学生語」「間違い言葉」―」
研究者新野直哉
概要「通時コーパス」プロジェクト・語誌データベース班言語記事グループで作成している「新聞記事データベース」のデータの一部である大正10年(1921年)の言語関連記事から,珍しい名の兄妹がいたという記事,禁煙の掲示の文言に関する記事,女学生間の流行語を紹介する記事,「間違い言葉」を指摘する記事など,ちょうど100年後にあたる2021年の大学生も興味を抱くであろう記事をピックアップして解説を加える。
「定住外国人の日本語習得と言語生活に関する縦断的研究~学習者の高齢化,言語摩滅・消失の過程に注目しながら~」
タイトル「定住外国人の日本語習得と言語生活に関する縦断的研究~学習者の高齢化,言語摩滅・消失の過程に注目しながら~」
研究者野山広
概要今回の発表では,OPI (Oral Proficiency Interview)の枠組みを活用した縦断調査(約14年間の形成的フィールドワーク)の結果の中で,特に,韓国出身の学習者A(50代で来日し,現在70代の国際結婚の配偶者)の最近の変容に焦点を当てる。この数年間の彼女は,日本語習得の過程から摩滅の過程へと変容し始めているようである。ポスターでは,言語生活情報なども含めた分析結果やWeb上に公開した会話データベースを基にした報告,今後の展望を行う。
「多言語化する日本社会を考える─多言語化を的確に把握するための基礎的データの必要性─」
タイトル「多言語化する日本社会を考える─多言語化を的確に把握するための基礎的データの必要性─」
研究者福永由佳
概要近年在留外国人の増加に伴い,日本社会の「多言語化」が指摘されるようになってきた。バスや電車といった交通機関の多言語標識や自治体のホームページの多言語表示等の事例は,私たちが日常生活で目にする多言語化の一例だと言えるだろう。しかし,日本語以外にどのような言語が使われているのかを明確に知ることはできるのだろうか。本発表では,多言語化する日本社会の実態について考えてみたい。
「「キェ」はどんな音?―日本語の硬口蓋化―」
タイトル「「キェ」はどんな音?―日本語の硬口蓋化―」
研究者前川喜久雄
概要日本語には「キェ」「シェ」「チェ」「ニェ」「ミェ」「ピェ」のようなエ段の拗音があります。このうち「シェ」や「チェ」は実際によく用いられており,音声としても安定していますが,「キェ」「ミェ」「ピェ」などはあまり使われることがありません。これらの文字はどのような音声を表すために用いられているのでしょうか。音声学の新しい分析手段であるリアルタイムMRIのデータを用いて分析します。
「日本語は話者の視点をどの程度表現する言語か」
タイトル「日本語は話者の視点をどの程度表現する言語か」
研究者松本曜,古賀裕章(慶応義塾大学)
概要日本語はしばしば話者の視点を表出する傾向のある言語だとされるが,それは本当なのだろうか。この問いに答えるため,日本語話者が「行く」「来る」などのダイクシス表現をどのような頻度で用いるのかを調べた結果を報告する。21の言語において行った,ビデオを用いた発話実験の結果に基づいて考察する。
「ビデオアノテーションはふりかえり活動でどう役立つのか―グループ・ディスカッション練習の実践結果の分析―」
タイトル「ビデオアノテーションはふりかえり活動でどう役立つのか―グループ・ディスカッション練習の実践結果の分析―」
研究者山口昌也
概要大学の授業などで行われるグループ・ディスカッション練習やプレゼンテーション練習を支援するために,教育活動向けの観察支援システムFishWatchrを開発している。このシステムは,ビデオアノテーションを用いて,練習の観察や,練習後のふりかえり活動を支援する。今回は,大学の授業で行われたグループ・ディスカッションの練習にFishWatchrを導入し,そのアノテーション結果を分析することにより,ビデオアノテーションがどのようにふりかえり活動に役立つのかを示す。
「語誌情報ポータルの活用」
タイトル「語誌情報ポータルの活用」
研究者山崎誠
概要「語誌情報ポータル」は,古辞書,言語地図,言語記事(ことばについての記事)など,文脈を持たないためコーパス化になじまない情報を対象として,それたをまとめて検索できるようにしたサイトである。併せて「日本語歴史コーパス」からの頻度情報を作品ごと,時代ごとに示すことで,関連情報を一括して捉えることができ,ことばの理解を深めることができる。主な検索結果はリンク先で画像として確認することができる。また,検索結果はダウンロードすることができる。
「琉球沖永良部語の再活性化:草の根活動から行政との連携協力協定まで」
タイトル「琉球沖永良部語の再活性化:草の根活動から行政との連携協力協定まで」
研究者山田真寛
概要「いま何もしなければ」なくなってしまうと言われている琉球語の一つ,沖永良部語(鹿児島県大島郡)は,再活性化(revitalization)が始まっていると言えます。2019年に沖永良部島の和泊町・知名町と国語研が沖永良部語継承保存のための連携協力協定を結びましたが,すぐに実質的な取り組みを行うことができたのは,言語コミュニティメンバーと研究者が協働して行ってきた草の根活動があったからでした。他の地域や似たような取り組みの参考になることを期待して,私たちが歩んできた道のりを紹介します。
「主成分分析から分布意味論へ:数式が登場しない動画教材作成の試み」
タイトル「主成分分析から分布意味論へ:数式が登場しない動画教材作成の試み」
研究者横山詔一
概要人工知能による単語の意味処理は「同じ文脈に出現する単語は似たような意味を持つ傾向がある」という分布仮説にもとづく分布意味論に支えられている。分布意味論では「主成分分析,意味空間,単語のベクトル表現,単語埋め込み」などの基本概念・専門用語が登場する。文系大学生を対象に分布意味論に関するオンライン授業を実施する場合は,それらの基本概念・専門用語について数式をなるべく使わずに分かりやすく説明するとともに,分布意味論のイメージを受講生に掴んでもらうための工夫が必要である。そのような動画教材の作成を試みた。
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