こちらのページでは、「アイ・トラッキング」の実験データをどのように収集したのか、調査の内容を説明します。
目次
1.目的と意義
本研究室の「文脈の理解」の調査では、日本語学習者が文章を読むときの理解過程を、インタビューにより調査しました。その分析をより深めるため、「文脈の理解」と同じ「接続詞」「指示語」「連体修飾節」を含む提示文を使用し、文章を読むときの視線の動きを可視化したデータを収集しています。
2.調査協力者
調査協力者は以下の表のとおりです。
日本語話者 | 中国語話者 | ベトナム語話者 |
---|---|---|
20名 | 19名 | 20名 |
3.調査方法
視線を記録するための機材として、「EyeLinkⅡ」(SR Research社)を使用しました。
調査協力者にはアイ・トラッキング装置をつけてもらい、画面に1問ずつ表示される提示文を黙読してもらいました。きちんと意味を考えながら読んでもらうために、提示文を1つ読み終えるごとに簡単な内容確認の問題(「Yes」あるいは「No」で回答)も解いてもらいました。
用意した提示文は、全部で27文です。1つの提示文に1つずつターゲット語が含まれていました。用意したターゲット語は、「接続詞」、「指示語」、「連体修飾節」の3種類です(その他、ダミー問題としてフィラーを含む文を調査の最初と最後に提示しました)。「接続詞」と「指示語」については、「接続詞(指示語)」がある提示文と、「接続詞(指示語)」が省略されている提示文と2つのパターンを用意しました。
実際に提示した27個の提示文については、「提示文一覧」をご参照ください(提示文一覧はこちら)。
4.調査協力者への説明事項
調査協力者には、「調査参加者の方への説明文書・同意書(資料はこちら)」を用いて、「研究の目的・意義」「研究の方法」「調査の場所と期間」の他、「希望があれば、ほかの参加者の個人情報保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲で、研究に関する資料を開示すること」「調査への参加が任意であること」「個人情報の取り扱い」などについて、説明をしました。
5.データの保存方法
調査で得られたデータは、国立国語研究所内のみアクセス可能なサーバ内蔵のハードディスク、及びバックアップ用のハードディスク内に保存し、アクセスを許可した者以外利用できないように管理しています。また、匿名化されていない文書については、同所内にて施錠保管しています。