こちらのページでは、「講義理解」のデータをどのように収集したのか、調査の内容を説明します。
1.目的と意義
本調査の目的は、日本語学習者が講義を理解する過程を明らかにすることと、日本語学習者が講義を理解する際の困難点を明らかにすることです。
本調査では、デジタルペンを用いて、いつ、どういう順番でノートを取ったかを調査しています。これにより、講義理解の過程に焦点をあてることができ、より詳細に理解の実態を明らかにすることが可能になります。また、日本語学習者の理解の実態をふまえて、実証的に講義理解の研究をすることができ、より実態に即して、講義の聴解やノートテイキングの支援について検討することができます。
2. 調査方法
- 日本語学習者および日本語母語話者の大学生に、収録した講義を視聴しながら、デジタルペンでノートを取ってもらいます
- 講義視聴後、講義がどんな話だったかを母語で記入してもらいます
- ノートテイキングの過程を記録した映像を見ながら、フォローアップインタビューを行います
3. 調査のスケジュール
- パイロットデータの収集:2017年度収録された講義を用いて、「2.調査方法」のような調査を行い、その結果に基づいて、調査方法、分析観点を再検討します
- 本調査:2018年度1. の検討結果に基づき、本調査を行います
- 分析:2018年度2.で収集したデータをもとに、「語句の理解」「語句の関係の理解」「談話構造の理解」の観点から、分析を行います
- 成果の公開:2018年度~2019年度上記3.を中心とした複数の観点から分析を行った結果をもとに、日本語学習者の講義理解の支援について成果をまとめ、公開します
4. データの公開方法
2の調査によって収集したデータ(講義の談話、調査協力者の大学生がとったノート、ノートの筆記過程、フォローアップインタビューの談話)をweb公開に適した形式に整理し、今後公開していく予定です。具体的には、談話については文字化を行い、手書きのノートについてはテキストデータとして入力し、調査協力者の許可が得られたノートについてはPDFファイルも公開していきます。