こちらのページでは、「ビジネス日本語」のプロジェクトをどのように進めていくのか、調査の内容を説明します。
目次
1.目的と意義
本プロジェクトの目的は、クラウドソーシングの日本語の調査・分析をつうじて、わかりやすいビジネス文書とは何かを言語学的に明らかにすることです。
クラウドソーシングとは、業務の発注者が、不特定多数の受注希望者(クラウド)に業務内容と報酬を提示し、契約が成立した場合に仕事を発注するシステムのことです。中間マージンをほとんど取られず、地理的な隔たりを越えて、在宅で自由な時間に業務をこなせるので、働き方の変化とともに世界的に急速に普及しています。
専門性の低い仕事、金銭面で条件のよい仕事、時間的猶予のある仕事に人気が集まる傾向はありますが、発注文書の日本語の巧拙が受注者側の受注行動に大きな影響を与えているケースも散見されます。そこで、発注文書をもとに、これまで機密情報保持の壁に阻まれてきたビジネス文書の日本語の実態を調査します。
2.全体計画
- 発注文書コーパスの構築:2017 年度
- 量的な分析:2018 年度
- 質的な分析:2018 年度
- 成果の公開:2019 年度
ランダムサンプリングによって発注文書を収集し、ビジネス文書のコーパスを構築します。
発注文書コーパスを、受注者側の応募状況に基づいて高評価群と低評価群に分け、それぞれの特徴を、言語を軸とする多様な観点から分析していきます。
量的な分析の結果得られた発注文書のサンプルを複数作成し、クラウドワークス上で実際に発注を行い、その効果を検証します。
量的・質的な分析の両面からビジネス文書のわかりやすさを検討し、その成果を公開していきます。
3.成果の公開予定
日本テレワーク学会第20回研究発表大会パネル発表 2018年7月8日(日)於千葉商科大学