9月20日 第3専門部会
「国語教育と日本語教育の統合的研究」

報告 甲斐 睦朗



9月20日(金)の第4回国際シンポジウムでは第3専門部会「国語教育と日本語教育の統合的研究」を開催した。この第3専門部会は,予め出席を約束した30名が円卓を囲んで話し合うといういわゆるクローズの形態を採っている。この専門部会は,第一に,新プロ「日本語」・研究班4の「日本人および外国人に対する言語教育の統合的研究」の具体的な検討の場として設けたものである。第2に,昨年度の第3回国際シンポジウム「世界の言語教育・日本の国語教育」の展開として設けたものである。
当日は,Ⅰ全体の問題提起,Ⅱ他教科の言語表現,Ⅲ帰国子女等の言語教育,Ⅳ音声言語教育の進行,という4つのセッションを設定した。Ⅰのセッションは開会行事を含む問題提起の30分である。次に,ⅡからⅣまでの3つのセッションは,それぞれ110分ずつという長めの時間を用意し,問題提起(10),発表1・2(各10),指定討論1・2(各5),話合い(65),まとめ(5),という構成でそれぞれの問題を深めようとした。話合いには特別発言なども用意した。
次に,ⅡからⅣまでの各セッションの問題提起について紹介しておきたい。
Ⅱ 「言語能力の育成」から見た国語科と他教科
このセッションでは,学校教育の全体を「言語能力の育成」の面でとらえ直すことによって,社会科や理科,算数科などについて,教科書類で使用されている語彙,表現,授業における話合い,そしてそこで使われている話型などに光を当てようとする。
当日は,次のような問題が取り上げられた。
(1) 国語科と社会科における言葉と思考
(2) 小・中学校の歴史の教科書を文体・表現面で比較する
(3) 国語科と他教科の関係は双方向
(4) 言語の教育を中核として学校教育の再創造を行う
Ⅲ 帰国子女と外国人子弟の言語教育
国語教育と日本語教育の各研究者が見解のすりあわせを行う。帰国子女にどういう言語能力を授けるかという問題は,その子女の日本語の習得の状況と深く関係してくる。また,外国人子弟を受け入れる場合にどういう日本語教育が望ましいか,は,その子女の滞在期間などにも関係してくる。当日は,つぎのような問題が取り上げられた。
(1) 子供の第二言語習得に関わる要因
(2) 日本語教育の環境
(3) 中国帰国生徒の言語教育
(4) 生活言語から学習言語へのハードル
Ⅳ 音声言語教育の振興
このセッションは,昨年度の第三回国際シンポジウム全体会の「世界の言語教育・日本の国語教育」を継承している。また,Ⅱ以下の各セッションを統合する役割も有している。当日は,次のような問題が取り上げられた。
(1)「音声言語教育振興」のための課題
(2) 思考力・表現力の涵養からみた音声言語教育
(3) 音声言語能力と学習者の体験や知識の相関
(4) 国語の授業のすべてを音声言語教育の視点で再構築すること


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