9月20日 第1専門部会
「21世紀の日本語音声教育に向けて」

報告 鮎澤 孝子



新プロの研究班3の「音声言語の韻律特徴に関する実験的研究」 (Experimental Studies on Prosody:略称ESOP)は日本語の韻律教育用のマルチメディアプ口グラムの開発を目指している。プログラム開発と同時に,その基礎データ収集のため,母語別,学習レべル別に,学習者の東京語アクセント習得状況を調査している。
午前中は「東京語アクセントの聞き取りテスト」の英語,フランス語,北京語,福建語,韓国語の3方言を母語とする学習者の母語別の傾向の報告,東京,京都で実施されたl年間の縦断調査結果を報告した。
午後は,Macintoshのハイパー・カードによるアクセント聞き取り練習プログラム,音声のリズム抽出プログラム,発話のピッチを抽出し,パソコンの画面上でその改変操作を行うプログラム,レーザーディスクの映像を駆使した音声言語教材の紹介とそれぞれのデモンストレーションが行われた。
午後の後半のパネルディスカッションでは,デリー大学,釜山女子大学,インドネシアのパジャジャラン大学,香港中文大学で日本語教育にあたっている先生方から,音声教育の必要性,そのための教師や教材不足などの問題点があげられた。これまではアクセント教育が無視されがちであったために,間違ったアクセントを習得してしまってから,その矯正をしなければならないなどの無駄があり,学習者にとっても,教師にとっても,結局は初めからきちんとした韻律教育を行うほうがよいことなどが,会場の約70名の音声教育専門の参加者たちと話し合われた。また,海外の教育現場でも使いやすく,学習者に役立つ音声教材がほしいというのが全員の共通意見であった。このような教育現場の要請に応えるためにも,ESOPチームが開発中の韻律教育用プログラムをできるだけ早く日本語教育現場に提供し,新プロの5年目にはその教育効果が報告できるようにしたいと思っている。


ホームページ / インデックス / 前ページ / 次ページ