国立国語研究所

『分類語彙表』とは

 『分類語彙表』は1964年に国立国語研究所資料集第6として公刊された, 現代日本語を対象とした最初のシソーラスである。2004年1月には 増補改訂版が刊行され,同時に電子化データベースも公開された。

 『分類語彙表』とは何か,初版の「まえがき」には次のように述べられている。

 ここに分類語彙表というのは,一般に一つの言語体系の中で, その語彙を構成する一つ一つの単語が,それぞれどのような意味で用いられるかを一覧できるように, 単語が表わし得る意味の世界を分類して, その分類の各項にそれぞれの単語を配当したものである。

 そして,『分類語彙表』は主に次の二つの役割を担うものであることが述べられている。

 ① 言葉や概念を手がかりに,適切な言葉を見つけるもの
 ② 語彙の分布や偏りを見るための「物差し」となるもの

収録語

 『分類語彙表』初版の延べ語数は36,780語であった。語は意味体系を示す例として収録されていたため, 語数は比較的限定されていた。その後の増補改訂作業を経て, 現在の増補改訂版では延べ95,811語,異なり79,516語を収録している。

 初版の収録語には次のような特徴があった。

  • サ変動詞では,「愛する」「信ずる」など1字漢語+する型を中心に収録していた。
  • 多義語については,代表的な語義に限定して収録していた。
  • 類推が容易な語は収録対象外とする場合があった。
  • 短い単位の語を中心とし,複合語や慣用句はあまり収録していなかった。

 増補改訂版ではこれらの制約を補うため,新語を含む現代日本語の語彙が大幅に追加された。 その結果,一般的な国語辞典に匹敵する規模の語彙資源へと発展している。

分類体系

 『分類語彙表』(以下,特に断らない限り,増補改訂版を指すものとする)の分類体系は固定された階層構造になっており,各語の体系的位置付けは分類番号によって示されている。 木の形は明示されてはいないが,その体系は木構造であるといえる。以下に【人間活動-精神・行為言語1.3130】の例を示して説明する。
 ※下例は分類体系の構造を示す図であり,各セルにクリック機能はありません。ただし,行列見出しのセルに触れると,詳しい説明が表示されます。スマートフォンでは左右にスワイプして表全体をご覧ください。
<類>
<部門>
<中項目>
<分類項目>
抽象的関係
人間活動主体
人間活動-精神・行為
生産物・用具
自然物・自然界現象
言語
芸術
生活
行為
……
1.3100 言語活動
1 言語  2 名  3 表現  4 叙述  5 翻訳
1.3110 語
1 文法  2 音韻  3 文字  4 符号  5 表・図・譜・式
1.3120 
1 合図・挨拶  2 通信  3 伝達・通報
1.3130 
1 話・談話  2 問答  3 会議・論議  4 言論  5 批判・弁解  6 説明
 ……