コラム - 日本語に「擬音語・擬態語」はいくつある? -
日本語は世界の言語の中で2番目に擬音語・擬態語が多いと言われています。ちなみに擬音語・擬態語を最も多く持つ言語は韓国語です。さて,では日本語には擬音語・擬態語がいったいいくつ位あるでしょうか。以下にあげる4種の擬音語・擬態語辞典と一般の国語辞典,外国人学習者のための学習辞典を見てみました。
- (1) 『暮らしのことば 擬音・擬態語辞典』山口仲美編著(2003)講談社
- (2) 『現代擬音語擬態語用法辞典』飛田良文・浅田秀子(2002)東京堂出版
- (3) 『Dictionary of Iconic Expressions in Japanese』Kakehi Hisao,Lawrence Schorup and Ikuhiro Tamori(1996) Trends in Linguistics. Documentation 12, Mouton de Gruyter
- (4) 『正しい意味と用法がすぐわかる 擬音語擬態語使い方辞典』(1993)阿刀田稔子・星野和子
- (5) 『学研 現代新国語辞典 改訂第三版』金田一春彦編(2002)学習研究社
- (6) 『外国人のための 基本語用例辞典(第三版)』(1990)文化庁
まず,4種の擬音語・擬態語辞典における見出し語の数は以下の通りです。
- (1) 1,385語(総収録語数約2,000語)
- (2) 1,064語(総収録語数約2,200語)
- (3) 1,634語(総収録語数も同数)
- (4) 738語(総収録語数約1,700語)
次に(5)と(6)の辞典にはもちろんほかの語も含まれているので,見出し語の中から擬音語・擬態語を探して数えたところ以下のようになりました。
- (5) 724語(見出し語数約67,000語)
- (6) 108語(見出し語数約4,500語)
このことから,日本語には辞書に載っているような語だけでも約2,000語以上あるということがわかります。
(注:擬音語・擬態語は同じような意味でいろいろな語形のバリエーションができるので,辞書に載っていない語もたくさんあります)
では,この2,000語のうちどの辞書にも見出し語として載っている語はどのぐらいあるでしょうか。それを知るために,(1)から(5)までの辞書に共通して載っている語を調べてみました。その結果,5種の辞書すべてに載っている語は443語,4種の辞書に共通して載っている語は725語でした。このことから,2,000語ぐらいある擬音語・擬態語のうち,私たちが日常よく使う語は400語〜700語ぐらいではないかということが言えると思います。