ホーム » コラム » 韓国語の擬態語と日本語の擬態語の比較 [そっくり]

コラム - 韓国語 [そっくり] -

 親子・兄弟の中で、顔などの体の一部がよく似ている場合、韓国語では「トッカッタ()」もしくは「トッカチ・センギョッタ」( )と言います。「トッカッタ」の「カッタ()」は「同じだ」という意味であり、接辞の「トッ()」は「非常に」「よく」という強調の意味を表します。従って、「トッカッタ()」はとてもよく似ている、まったく同じだという意味になります。そして、「トッカチ・センギョッタ」( )を日本語に直訳すれば、「まったく同じに出来上がっている」になります。韓国ではとてもよく似ている親子をたとえて言う場合には、「ブンオパン・イネヨ()」(鮒焼きですね)と言います。なぜか、韓国では人形焼きや鯛焼きではなく、鮒焼きです。

 また、友達と映画の約束をして待ち合わせの場所に行ったら、たまたまその友達が同じカバンを持っているとき、「カバンイ・トッカッタ( )」(カバンが同じだ)といいます。また、テニス・釣りなど相手と同じ趣味を持っていることがわかった場合でも「チュミガ・トッカッタ( )」(趣味が同じだ)を使うことができます。

 しかし、日本語では「そっくり」と言えるのに、韓国では「トッカッタ()」が用いられない場合があります。例えば、どろぼうが金庫の中身をそっくり盗んだ」のような場合は「トッカッタ」は使用できず、「金庫の中身を全部盗んだ」または「一文も残らず盗んだ」のように表現されます。つまり、韓国語では体の一部が似ていたり趣味などが同じである場合は「そっくり」の意味の「トッカッタ」を用いますが、ある物を全部という場合の「そっくり」には、「トッカッタ」は用いられません。