ホーム » コラム » 韓国語の擬態語と日本語の擬態語の比較 [げらげら]

コラム - 韓国語 [げらげら] -

 日本語の大声を出して思いっきり笑っている様子に用いられる「げらげら」は、その笑い声が子どもであれ、大人であれ、口を開けて遠慮なく大声で笑っているのであれば「げらげら」を使うことができます。つまり、笑っている人の性別・年齢とは関係なく「げらげら」が用いられるのです。ところが、韓国語では子どもが「げらげら」笑うときと、お父さんのような少し年配の男性が笑うときとは、同じ大声での笑いでもそれを表す表現が異なります。例えば、子供がおもしろい漫画を見ながら笑っているときの「げらげら」は、韓国語で「カルカル()」と言いますが、お父さんが大声で笑っているときの「げらげら」は、「コルコル()」と表します。韓国人の耳には「コルコル()」という笑い声を聞くと、大人の男性が大声で楽しく笑っている姿は思い浮かぶものの、子どもと女性の笑い声とは思いません。このような感覚の違いは韓国語の母音から影響をうけるものです。韓国語にある二種類の母音、つまり「陽母音」と「陰母音」のうち、子供と女性の笑い声の「カルカル()」には陽母音の「[a]」が用いられ、「明るい,軽い」という好感の持てる印象を与えますが、年配の男性の笑い声である「コルコル()」には陰母音の「[]」が用いられ、「大きい,重い」という印象を与えるのです。「コルコル()」と笑っているお父さんの姿からは、威厳が感じられます。