目次

4-3.さまざまな研究成果

日本語教育の推進

昭和49(1974)年には,日本語教育を担当する部署が設置されました。まだ大学などに日本語教師を養成する課程がほとんど設けられていない頃で,日本語教育・日本語教師養成に取り組むさきがけでした。

日本語教師の養成
日本語教育ブックレット

その成果は,多様な日本語教師養成のための研修プログラムや,研修成果の頒布,ビデオ教材の開発などの形で広く発信されてきました。

また,世界各地で日本語教師のリーダーとして活躍する人材を養成するため,平成13(2001)年度から政策研究大学院大学・国際交流基金と共同で,留学生を対象にした大学院課程(修士・博士)を設置し,教育を行ってきました。

こうした直接的な日本語教育推進と同時に,日本語と外国語との対照研究を行ったり,日本語教育のための基本語彙をまとめたりするなど,基礎的な研究も積み重ねてきました。

基本語彙調査
対照研究と日本語教育

国語政策への寄与・社会との結びつき

国語研では,「国語政策の立案のための基礎資料の提供」が設立目的のひとつに掲げられていました。科学的な調査研究に基づいたデータを提示し,国の施策に役立ててきました。

国語教育の分野では,当初から学力標準設定の方法や学習指導方法の改善など,学校教育の現場に直結した研究課題にとりくんでいました。例えば,昭和27(1952)年から国立教育研究所が全国規模で行なった学力水準調査に協力しています。その前年に,文部省がこの調査を関東地区を対象に行った時も,協力しています。
また,昭和28(1953)年から行っていた「言語能力の発達に関する調査研究」の成果は,国語審議会が国語施策と教育との関連を審議する時に,資料として使われました。

読み書き能力

語彙調査や漢字調査の成果も活用されています。「どのような語彙や漢字がどのくらい使われているか」ということを客観的に分析した「雑誌九十種」調査などの成果は,国語審議会が当用漢字表を見直し,常用漢字表をまとめた時の資料として活用されました。

外来語の問題も幾度か取り上げられています。研究所独自の研究蓄積をもとに,外来語の実態調査を行いました。その成果のひとつに,『定着度による外来語分類の試み』(平成14(2002)年3月)があります。
さらに平成14年度からは,外来語委員会を設けて,わかりにくい外来語について「外来語言い換え提案」を継続的に行いました。

外来語に関する意識調査
外来語言い換え提案

また,平成19(2007)年からは医療関係者等と共同で「病院の言葉」を分かりやすくするための調査研究を展開しました。
病気になったりけがをしたりして病院へ行くと,それまでは見聞きすることのなかった,なじみのない分かりにくい言葉にたくさん出会うことがあります。医師が患者に説明する際に誤解を与えず分かりやすく伝えるには,どのような言葉や表現を選べばよいのか,そのための具体的な工夫が報告書『「病院の言葉」を分かりやすくする提案』(平成21(2009)年)や市販書籍『病院の言葉を分かりやすく-工夫の提案-』(国立国語研究所「病院の言葉」委員会,2009,勁草書房)にまとめられています。
この成果は,大学医学部の授業でも活用されています。

病院の言葉を分かりやすく

他にも,電子媒体で漢字を扱う場合の問題に取り組み,日本規格協会・情報処理学会と共同で「汎用電子情報交換環境整備プログラム」を推進しました。これは国の電子政府施策の一環です(国語研は基礎研究や基礎データの収集分析を担当)。

汎用電子情報交換環境整備プログラム

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