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「日本語の大規模経年調査に関する総合的研究」のサイト(所内サイト) (「岡崎敬語調査データベース」の公開など)

http://www2.ninjal.ac.jp/longitudinal

「日本語の大規模経年調査に関する総合的研究」のサイト(所外サイト) (「大規模経年調査資料集」公開など)

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社会調査型言語調査

国立国語研究所は,昭和23(1948)年に設立されました。設立の翌年の昭和24(1949)年以降,日本における言語生活の実態を捉えることを目的に,日本の各地で言語調査を実施してきました。

地図上の「岡崎敬語調査」「鶴岡調査」「北海道調査」の文字列をクリックすると各調査の詳細が閲覧できます。

国立国語研究所の社会調査型の言語調査

上図に挙げたのは,国立国語研究所が実施した社会調査型の言語調査の地点です。
社会調査型の調査というのは,ランダム・サンプリング(無作為抽出)という科学的な方法によってインフォーマントを選び,調査を実施することです。
住民基本台帳から無作為に選ばれた(いわば,くじ引きで選ばれる)インフォーマントの回答から,その地点に住む全住民の言語生活を推定することができます。

ランダム・サンプリングの図解

ランダム・サンプリングのイメージ

国立国語研究所の社会調査型の言語調査は,以下のような大きく3つのテーマを設定して実施してきました。

  • 共通語化研究
    • 八丈島 1949
    • 白河 1949
    • 鶴岡
      1950, 1971, 1991
    • 北海道
      1958, 1986-87
  • 敬語研究
    • 上野 1952
      (現:伊賀市)
    • 岡崎
      1953, 1972, 2008
  • 言語生活研究
    • 長岡 1962
    • 松江 1963
    • 大都市(東京・大阪)
      1974-75
    • 豊中・宮津・豊岡
      1983-84


定点経年調査

国立国語研究所の言語調査の中には,間隔を置いて,同じ場所・方法・項目で繰り返し調査を実施したものがあります。このような調査を定点経年調査と言います。国立国語研究所が実施した定点経年調査は,山形県鶴岡市における全国共通語化に関する調査(以下,鶴岡調査),愛知県岡崎市における敬語調査(以下,岡崎敬語調査),北海道における地方共通語化の調査(以下,北海道調査)の3つがあります。

鶴岡調査は昭和25(1950)年,昭和46(1971)年,平成3(1991)年の3回,岡崎敬語調査は,昭和28(1953)年,昭和47(1972)年,平成20(2008)年の3回,北海道調査は昭和33(1958)年,昭和61・62(1986・87)年の2回実施しました。


パネル調査

この3つの定点経年調査では,上のランダムサンプリングによる調査を実施するだけでなく,過去の調査に協力いただいた同じ被調査者に,基本的に同じ調査方法・同じ調査項目で再度協力いただくという調査も実施しています。同じ人,同じ調査方法,同じ調査項目で調査を繰り返し実施する調査を【パネル調査】と呼びます。

2011(平成23)年,国立国語研究所は,統計数理研究所と共同で第4回調査を実施します。この鶴岡調査のパネル調査では,下図のように,同一個人が10代~70代に至るまでの60年間にわたることばの変化に迫ることができるのです。

パネル・サンプルの図解

パネル・サンプルのイメージ


コホート系列法

ランダムサンプリングによる調査は横断的研究(cross-sectional method)と呼ばれ,パネル調査は縦断的研究(longitudinal method)と呼ばれます。この2つを組み合わせて,同年齢の集団に対して横断的調査を実施した後で,同じ集団に縦断的調査を実施する方法をコホート系 列法(cohort sequential method)と呼びます(横山,2011*)。横断的調査で同年齢の集団(コホート)の一般的傾向を明らかにするとともに,縦断的調査で因果関係も明らかにすることができます(横山・井上・阿部,2010*)。

このような調査デザインによる大規模な調査は,国立国語研究所の鶴岡調査・岡崎敬語調査のほかには,知能発達研究であるシアトル・プロジェクト(Seattle Longitudinal Study, Schaie1996*など)くらいしかありません。大規模なコホート系列法による調査の中で,鶴岡調査は世界最古の調査であり,岡崎敬語調査は現在のところ世界最長期間をフォローした調査です。

このような大規模なコホート系列法による定点経年調査は,国立国語研究所のような機関が中核となって,大学や他の共同利用機関の研究者とともに,今後も継続して行っていくことが必要な調査です。

これからも定点経年調査を継続し,データを積み重ね,ことばの変化を見つめ続けることに大きな意義があります。

* 「言語変化は経年調査データから予測可能か?」横山詔一 ( PDF | 549KB )

* 「言語生活の生涯変化は多変量解析で予測可能か:アクセントや敬語意識を例に 【言語変化を追跡・予測する-言語の定点経年調査から】」横山詔一,井上文子,阿部貴人 ( PPT | 766KB )

* Schaie, K. W.(1996)Intellectual development in adulthood: The Seattle
Longitudinal Study. New York: Cambridge University Press.


お問い合わせ先

大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
国立国語研究所 大規模経年調査プロジェクト
〒190-8561 東京都立川市緑町10-2
TEL. 042-540-4300 / FAX. 042-540-4333 / URL. http://www.ninjal.ac.jp/





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